賃貸マンションやアパートに住んでいると、「ウォーターサーバーを置いて退去時に問題にならないか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。結論として、通常の使い方をしていればウォーターサーバーが原状回復のトラブルにつながることはほとんどありません。
この記事では、賃貸住宅でウォーターサーバーを使うときの注意点と、退去時に慌てないためのポイントを解説します。

そもそも原状回復とは?
原状回復とは、賃貸住宅を退去するときに入居時の状態に戻すことを指します。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、入居者が負担するのは「通常の使用を超えた損耗」であり、経年劣化や通常損耗は貸主の負担とされています。
つまり、普通に生活していて自然に生じるキズや汚れは入居者が負担する必要はありません。ウォーターサーバーの設置もこのルールに基づいて判断されます。
ウォーターサーバーで原状回復が問題になるケース
床のへこみ・キズ
ウォーターサーバーは本体+ボトルで20〜30kg程度の重量があるため、フローリングやクッションフロアに長期間置くとへこみ跡が残ることがあります。ただし、国交省のガイドラインでは「家具の設置跡」は通常損耗の範囲とされており、原則として入居者の負担にはなりません。
ただし、キャスター付きの台に載せて引きずった場合の深いキズや、水漏れを放置してフローリングが変色・膨張した場合は「通常の使用を超えた損耗」として修繕費を請求されるリスクがあります。
壁紙のカビ・変色
サーバー背面の放熱や結露が原因で、壁紙にカビが生えたり変色したりすることがあります。これを防ぐには、壁から10cm以上離して設置するのが基本です。
水漏れによるダメージ
ボトル交換時のこぼれや、サーバー本体の故障による水漏れでフローリングや壁にダメージが生じた場合、放置した結果の被害は入居者負担になる可能性があります。水漏れに気づいたらすぐに拭き取り、被害を最小限に抑えることが大切です。

退去時にトラブルを避けるための対策
- サーバーの下に防水マットやトレーを敷く
- 壁から10cm以上離して設置する
- 入居時にサーバー設置場所周辺の写真を撮っておく
- 水漏れが起きたらすぐに拭き取り、記録を残す
- 退去前にサーバー設置場所の清掃を丁寧に行う
防水マットは必ず敷く
100円ショップやホームセンターで手に入る防水トレーやジョイントマットを敷いておくだけで、床へのダメージをかなり防げます。特にクッションフロアのへこみ防止には効果的です。
見た目を気にするなら、透明タイプの傷防止マットが使いやすいです。床の色を選ばず敷けるので、リビングに置いても存在感が出ません。
入居時の状態を写真で記録
退去時のトラブルを防ぐ最も確実な方法は、入居時にサーバーを設置する場所の床・壁の状態を写真撮影しておくことです。退去時に「このキズは入居前からあった」と証明できるので安心です。

退去時のウォーターサーバー返却の流れ
レンタルのウォーターサーバーは退去時に返却が必要です。一般的な流れは次のとおりです。
- メーカーに解約・返却の連絡をする(退去日の1か月前が目安)
- 残りのボトル水を使い切る
- サーバーの水抜きを行う(冷水・温水を出し切り、背面の排水栓から排水)
- 指定日に宅配業者がサーバーを回収
契約期間内に解約すると違約金(5,000〜20,000円程度)が発生するメーカーが多いです。引っ越し先でも継続利用する場合は「住所変更手続き」だけで対応でき、違約金はかかりません。
よくある質問(Q&A)
Q. 大家さんや管理会社にウォーターサーバーの設置を報告する必要はある?
A. 法的な報告義務はありませんが、トラブル防止のために一声かけておくと安心です。特に水道直結型の場合は、水道の分岐工事が必要なケースがあるため事前に確認しましょう。
Q. 引っ越し先にサーバーを持っていけるの?
A. ほとんどのメーカーで住所変更手続きをすれば継続利用が可能です。引っ越し先への配送は無料対応のメーカーも多いので、解約するより住所変更の方がお得な場合があります。
Q. 水道直結型は賃貸でも取り付けできる?
A. 水道の蛇口に分岐器具を取り付けるだけのタイプであれば、原状回復が容易なため賃貸でも利用可能です。ただし壁や配管に穴を開ける工事が必要なタイプは管理会社の許可が要ります。
賃貸で人気のサーバータイプとその理由
賃貸住宅でウォーターサーバーを使うなら、原状回復を心配しなくていいタイプを選ぶことが大切です。
宅配水タイプ(最も無難)
宅配水タイプは設置も撤去もサーバーを置いて電源につなぐだけなので、壁や床に穴を開ける必要がありません。原状回復リスクがほぼゼロのため、賃貸住宅で最も人気があります。引っ越し時もメーカーに連絡するだけで移転手続きが完了します。
アクアクララ:同じ宅配水タイプでも、設置とその後の面倒を任せやすいのがアクアクララです。専門スタッフが自宅まで運んで設置まで行ってくれるので、届いた本体を自分で開梱して壁際まで動かす、という作業が発生しません。月1,100円〜の「あんしんサポート料」には配達・設置に加えて、故障したときの対応まで含まれています。水漏れなど賃貸で避けたいトラブルの連絡先が最初から決まっているのは、心理的にも楽なところです。ただし通常プランは1年未満、2年割プランは2年未満での解約に途中解除料がかかるため、転勤の可能性がある方は契約前に期間の条件まで目を通しておきましょう。
👇 契約期間と途中解除料の条件まで、引っ越し前に押さえておきたい点をまとめています

浄水型補充タイプ(次点でおすすめ)
水道水を自分で補充するタイプも工事不要のため、賃貸住宅に向いています。ボトルの受け取りや保管場所の確保が不要な点もメリットです。月額定額で使い放題なので、水の消費量が多い家庭に最適です。
「浄水した水がどれくらい好みに合うか、まず試してみたい」という段階なら、数千円の浄水ポットで水の味を確かめてから契約を決める方法もあります。合わなければ日常使いに回せるので、無駄にもなりません。
水道直結型(工事の確認が必要)
水道直結型は蛇口に分岐器具を取り付ける工事が必要です。退去時に分岐器具を外して原状回復できるタイプであれば賃貸でも利用可能ですが、事前に管理会社の許可を取ることをおすすめします。壁内の配管に穴を開けるタイプは賃貸には不向きです。


水漏れトラブルの予防策を徹底解説
賃貸住宅でウォーターサーバーを使う際に最も注意すべきは、水漏れによる床や階下への被害です。水漏れはメーカー保証外の修繕費だけでなく、階下住人への損害賠償に発展するリスクもあります。
防水トレーの選び方
防水トレーはサーバーの底面より一回り大きいサイズを選びましょう。深さ3cm以上のトレーであれば、ボトル交換時のこぼれや少量の水漏れを受け止められます。ホームセンターで500〜2,000円程度で購入できます。
水漏れセンサーの活用
IoT対応の水漏れセンサーをサーバーの下に設置しておけば、水漏れを検知した瞬間にスマホに通知が届きます。外出中や就寝中の水漏れにも即座に気づけるため、被害を最小限に抑えられます。1個2,000〜5,000円程度で購入できます。
スマホ連携までは不要という方には、水に触れるとブザーが鳴るだけのシンプルなタイプもあります。電池式で置くだけなので、賃貸でも配線を気にせず使えます。
定期的なサーバーの点検
月に1回程度、サーバー背面の排水栓や配管接続部からの水漏れがないかを目視で確認しましょう。結露による水滴と水漏れを見分けるためにも、定期的に確認する習慣をつけておくことが大切です。
万が一水漏れが発生して階下に被害が出た場合、火災保険の「個人賠償責任保険」で補償される可能性があります。入居時に加入した火災保険の内容を確認しておきましょう。保険が適用されれば、修繕費用の自己負担を大幅に軽減できます。
引っ越しのときのサーバーの扱い
同じメーカーで継続する場合
ほとんどのメーカーでは、住所変更手続きをすれば引っ越し先でも同じサーバーを使い続けられます。手続きの流れは次のとおりです。
- メーカーに引っ越しの連絡をする(引っ越しの2〜3週間前)
- 旧住所でサーバーを回収してもらう
- 新住所に新しいサーバー(またはメンテナンス済みの同機種)を届けてもらう
- ボトルの定期配送先を新住所に変更する
引っ越し先への配送は無料対応のメーカーが多いです。プレミアムウォーターやフレシャスなどは、マイページから簡単に住所変更できます。
プレミアムウォーター:宅配水タイプなので工事が不要で、置いてコンセントに挿すだけで使い始められます。退去のときも本体を引き取ってもらうだけで、床や壁に手を入れる作業が発生しません。水は非加熱処理の天然水で、引っ越し先でも同じ水を飲み続けられるのは、味に慣れたあとでは意外と大きな違いになります。ただし最低利用期間は2〜3年と長めなので、転勤などで数年以内に動く可能性があるなら、契約前に解約条件まで目を通しておきましょう。
👇 最低利用期間や解約の条件まで、こちらで詳しくレビューしています



フレシャス:ワンルームや1Kなど、置き場所が限られる賃貸で候補に入れやすいメーカーです。水は7.2kgの軽量パック式なので、玄関で受け取ってから部屋まで運ぶ場面でも負担が少なく、12Lボトルのように持ち上げに苦労することがありません。静音設計なので、ワンルームでベッドの近くに置いても運転音が気になりにくいのも賃貸向きのポイント。省エネ性能も備えているため、電気代を抑えたい一人暮らしとも相性のよいタイプです。
👇 軽量パックの扱いやすさと機種ごとの違いを、こちらで詳しくまとめています



解約して新しいメーカーに乗り換える場合
契約期間内の解約には違約金がかかりますが、乗り換えキャンペーンで違約金を負担してくれるメーカーもあります。引っ越しをきっかけにメーカーを変えたい場合は、乗り換えキャッシュバックキャンペーンを実施しているメーカーを探すとよいでしょう。


賃貸の部屋の広さ別おすすめ設置場所
賃貸住宅の間取り別に、ウォーターサーバーのおすすめ設置場所を紹介します。
ワンルーム・1K(20〜25平米)
スペースに余裕がないため、卓上型をキッチンカウンターの上に置くのがおすすめです。床置き型を置く場合は、冷蔵庫の横やクローゼットの近くなど、動線を邪魔しない場所を選びましょう。
1LDK〜2DK(30〜45平米)
キッチンに設置するのが最も一般的です。電子レンジや炊飯器と同じカウンター上に卓上型を置けば省スペースです。リビングとキッチンが分かれている場合は、リビング側に置くと日常的に使いやすくなります。
2LDK以上(50平米〜)
ファミリー向けの間取りなら、リビングかダイニングに床置き型を設置するのがベストです。家族全員が使いやすい共有スペースに置くことで利用率が上がります。子どもの手が届く位置に置く場合は、チャイルドロック付きのモデルを選ぶことが必須です。
あわせて用意しておきたいのが、家具用の転倒防止ベルトです。子どもがつかまり立ちをする時期や地震のときに、サーバーが倒れるのを抑えられます。壁を傷つけにくい粘着タイプなら賃貸でも使いやすいです。


まとめ
賃貸住宅でウォーターサーバーを使っても、通常の使い方をしていれば原状回復でトラブルになることはほとんどありません。床の防水マット設置・壁からの距離確保・水漏れの即時対応という3つのポイントを押さえておけば安心です。
退去時はサーバーの返却を早めに手配し、設置場所の清掃をしっかり行いましょう。引っ越し先でも使い続けるなら、住所変更手続きだけで済むメーカーがほとんどです。
📦 この記事で紹介した商品



