「ウォーターサーバーの費用は会社の経費にできるの?」「福利厚生として導入すれば節税にもなる?」こうした疑問を持つ法人担当者の方は少なくありません。
実は、ウォーターサーバーの費用は条件を満たせば全額経費として計上できるのです。この記事では、勘定科目の分け方から節税のポイント、補助金の活用可能性まで解説します。

ウォーターサーバーの費用は経費にできる
法人がオフィスで使用するウォーターサーバーは、事業に必要な支出として経費計上が認められています。個人事業主の場合も、事業用として使っていれば経費にできます(家事按分が必要な場合あり)。
経費にできる項目
| 費用の種類 | 経費になるか |
|---|---|
| サーバーレンタル料 | 経費になる |
| 水代(ボトル代) | 経費になる |
| 電気代(サーバー分) | 経費になる |
| 配送料 | 経費になる |
| メンテナンス費 | 経費になる |
勘定科目はどうする?使用目的で異なる
ウォーターサーバーの費用をどの勘定科目で処理するかは、「誰が使うか」によって変わります。正しい科目で仕訳しないと、税務調査で指摘を受ける可能性があるので注意が必要です。
- 従業員全員が利用 → 福利厚生費
- 来客対応で提供 → 接待交際費
- 従業員+来客 → 使用実態に応じて按分(主たる用途の科目で一括処理するケースもあり)
サーバーレンタル料の勘定科目
サーバー本体のレンタル料は「賃借料」または「リース料」で処理するのが一般的です。水代とは別の勘定科目にすることで、費用の内訳が明確になります。

福利厚生費として認められる条件
ウォーターサーバーの費用を福利厚生費として計上するには、次の条件を満たす必要があります。
- 全従業員が利用できる環境であること(特定の役員だけが使えるのはNG)
- 社会通念上、妥当な金額であること(高額すぎると指摘対象になる可能性あり)
- 業務時間中の福利厚生として位置づけられていること
社長室だけにサーバーを置いて他の従業員が使えない場合などは、福利厚生費ではなく「役員報酬」や「交際費」として扱われる可能性があるため注意しましょう。
消費税率の違いに注意
ウォーターサーバーの費用には2つの消費税率が混在しています。
- 水代(ボトル):飲食料品のため軽減税率8%が適用
- サーバーレンタル料・配送料・メンテナンス費:標準税率10%が適用
経理処理のときは、請求明細をよく確認して税率ごとに正しく仕訳することが大切です。多くのメーカーの請求書には税率区分が記載されていますが、不明な場合はメーカーに確認しましょう。
紙で届く請求書や領収書は、月ごとに仕分けて保管しておくと決算期に慌てずに済みます。月別ポケットのある領収書ファイルを1冊決めておくだけでも、探す手間がかなり減ります。
補助金は使える?
ウォーターサーバーの導入に特化した補助金制度は、記事執筆時点では一般的ではありません。ただし、以下のような間接的な活用の可能性はあります。
- 熱中症対策として労働安全衛生の取り組みの一環で、関連する助成金の対象になるケース(自治体や業界団体による)
- オフィス環境整備の一部として、小規模事業者持続化補助金などの「販路開拓」に含めて申請するケース(採択は個別判断)
いずれも確実に受給できるものではないため、まずは経費計上による節税メリットを活用するのが現実的です。

法人がウォーターサーバーを導入するメリット
従業員の満足度・生産性向上
オフィスでいつでも冷水・温水が使えることで、従業員の水分補給が促進され、集中力の維持やリフレッシュに役立ちます。福利厚生の充実は採用面でもプラスに働きます。
来客対応のスマート化
来客にすぐにお水やお茶を出せる環境は、企業のイメージアップにもつながります。わざわざペットボトルを買いに行く手間やコストも削減できます。
ペットボトルごみの削減
オフィスでペットボトルの水を大量に購入している場合、ウォーターサーバーに切り替えるとゴミの量が大幅に減ります。SDGsの取り組みとしてもアピールできるポイントです。
ペットボトルをやめる代わりに必要になるのが、来客用のコップです。使い捨ての紙コップを業務用でまとめて買っておけば、洗い物を増やさずに運用できます。
福利厚生費と交際費の仕訳例
実際にどのように仕訳するのか、具体例を見てみましょう。
従業員用の福利厚生として導入した場合
| 勘定科目 | 内容 | 金額(税込) | 消費税率 |
|---|---|---|---|
| 福利厚生費 | ウォーターサーバー水代 | 3,240円 | 8% |
| 賃借料 | サーバーレンタル料 | 1,100円 | 10% |
| 水道光熱費 | サーバー電気代 | 800円 | 10% |
来客対応として導入した場合
| 勘定科目 | 内容 | 金額(税込) | 消費税率 |
|---|---|---|---|
| 接待交際費 | ウォーターサーバー水代 | 3,240円 | 8% |
| 賃借料 | サーバーレンタル料 | 1,100円 | 10% |
水代の消費税率は8%(軽減税率)、レンタル料は10%(標準税率)と異なるため、仕訳時に分けて記録する必要があります。多くのメーカーの請求書は税率ごとに区分されているので、そのまま転記すれば問題ありません。

個人事業主の場合の経費処理
自宅兼事務所での使用
自宅兼事務所でウォーターサーバーを使う個人事業主の場合、事業使用分のみ経費計上が可能です。プライベートと事業の使用割合を合理的に決めて按分します。
例えば、自宅で1日8時間仕事をしている場合、8時間÷24時間=約33%を事業使用分として経費計上する方法が一般的です。按分比率の根拠を記録しておくことが税務調査で指摘されないためのポイントです。
勘定科目のおすすめ
個人事業主の場合は、水代を「消耗品費」、レンタル料を「賃借料」で処理するのが一般的です。福利厚生費は従業員がいない場合は使えないため注意してください。従業員を雇用している場合は、法人と同じく福利厚生費として処理できます。
福利厚生としてのウォーターサーバー導入事例
IT企業A社(従業員30名)の事例
フロアに浄水型サーバーを2台設置。月額費用は2台で約7,700円。導入前と比較してペットボトルの購入費が月約15,000円削減され、結果的にコストダウンにつながりました。従業員アンケートでは「水を飲む回数が増えた」「コーヒーが手軽に淹れられて便利」と好評です。
サーバーのお湯でインスタントを淹れるだけでも十分ですが、休憩スペースの満足度をもう一段上げたいなら、オフィス向けのコーヒーメーカーを併設している会社もあります。こちらも福利厚生費として処理できるケースが多い設備です。
会計事務所B社(従業員10名)の事例
受付に卓上型サーバー1台を設置。来客用と従業員用を兼ねているため、使用割合に応じて福利厚生費(70%)と接待交際費(30%)に按分して仕訳しています。月額費用は約4,500円で、来客時のお茶出しの手間も大幅に削減できました。

税務調査で指摘されないためのポイント
ウォーターサーバーの経費計上で税務調査の対象になることは珍しくありません。指摘されないために、以下の点に注意しましょう。
- {mu(‘全従業員が利用できる環境であること’)}を証明できるようにする(設置場所の写真など)
- 請求書・領収書を保管する(7年間の保存義務)
- 勘定科目を毎月一貫して使う(途中で変えない)
- 使用目的が変わった場合は速やかに科目を変更する
- 個人事業主の場合は按分比率の根拠を記録する
導入までの具体的なステップ
法人がウォーターサーバーを福利厚生として導入する場合の流れをまとめました。
- ニーズの確認:従業員へのアンケートで需要を把握する
- 予算の確保:月額費用を見積もり、予算承認を得る
- メーカーの選定:最低3社から見積もりを取って比較する
- 契約・導入:法人プランで契約し、設置場所を確定する
- 社内周知:利用ルール(清掃担当・ボトル交換ルール等)を策定して共有する
- 経理処理:初月から正しい勘定科目で仕訳を開始する
- 効果測定:3か月後を目安に利用状況とコストを振り返る

よくある質問(Q&A)
Q. ウォーターサーバーの費用は全額損金にできる?
A. 法人がオフィスで使用する場合、サーバーレンタル料・水代・電気代のすべてが損金算入可能です。ただし、サーバーを購入した場合は固定資産として減価償却が必要になるケースがあります。購入型よりもレンタル型の方が経理処理は簡単です。
Q. 福利厚生費には上限額がある?
A. 福利厚生費自体に法定の上限額はありませんが、社会通念上、相当と認められる範囲である必要があります。ウォーターサーバーの月額費用程度であれば、通常は問題なく福利厚生費として認められます。従業員1人あたり月500円程度であれば、合理的な支出として判断されるでしょう。
Q. サーバーを購入した場合の処理は?
A. サーバー本体を購入した場合、取得価額が10万円未満なら消耗品費として一括計上できます。10万円以上の場合は固定資産(工具器具備品)として計上し、耐用年数に応じて減価償却します。一般的なウォーターサーバーの法定耐用年数は6年です。
Q. 自宅兼事務所でサーバーを使う場合の按分比率は?
A. 明確な基準はありませんが、業務時間割合で30〜50%程度を事業使用分として計上するのが一般的です。按分比率の根拠(労働時間やオフィス面積の割合など)を記録しておくことが大切です。

まとめ
ウォーターサーバーの費用は、法人がオフィスで使う場合は全額経費として計上が可能です。勘定科目は使用目的に応じて「福利厚生費」「接待交際費」「賃借料」などを使い分けましょう。
補助金の直接活用は難しいものの、経費計上による節税効果は確実にあります。全従業員が利用できる環境を整えて福利厚生費として処理するのが最もスムーズな方法です。


