飛行機に乗ると肌がカサカサになったり、喉がイガイガしたりした経験はないでしょうか。実は、飛行機の機内の湿度は10〜20%程度で、砂漠並みの乾燥状態になっています。この極度の乾燥環境では、気づかないうちに体から水分が奪われていきます。
この記事では、飛行機内でなぜ乾燥するのか、どのように水分補給をすればよいのか、肌や喉を守るための具体的な対策方法について解説します。

飛行機内が極度に乾燥する理由
飛行機は高度約1万メートルの上空を飛行しています。この高度の外気は気温がマイナス50℃前後で、空気中の水分がほとんど存在しません。機内の空気は外気を取り入れてエアコンシステムで温度調整していますが、加湿機能は一般的な旅客機にはほぼ搭載されていないため、機内の湿度は非常に低い状態が続きます。
通常の居住空間の湿度が40〜60%程度であるのに対し、機内は10〜20%にまで低下します。これは、肌から不感蒸泄(自覚なく皮膚や呼気から蒸発する水分)が増え、喉や鼻の粘膜が乾燥する原因になります。
- 機内湿度は10〜20%(砂漠と同等レベル)
- 外気を取り込む構造上、加湿が難しい
- 肌・喉・鼻から気づかないうちに水分が失われる
機内での水分補給のポイント
飲む量の目安
機内での水分補給は、1時間あたり約200〜250mLを目安にこまめに飲むのが推奨されています。8時間のフライトなら約1.6〜2Lの水分が必要になる計算です。
喉が渇いたと感じた時点では、すでに体内の水分が不足し始めているサインです。渇きを感じる前に、意識的に少量ずつ飲む習慣をつけましょう。
そのためには「手元にすぐ飲めるものがある」状態を作っておくのが近道です。折りたためるソフトタイプの水筒なら、保安検査は空のまま通して搭乗後に水を入れられ、飲み終われば畳んでカバンに収まります。
適した飲み物
- 常温の水:もっとも基本的で安全な選択肢。ペットボトルを持ち込むか、CAに頼んで水をもらう
- 麦茶・ノンカフェインのお茶:カフェインの利尿作用を気にせず飲める
- 経口補水液:長時間フライトで体調が気になる場合に。粉末タイプなら持ち込みやすい
避けたほうがよい飲み物
- アルコール:機内の低湿度環境ではアルコールの利尿作用による脱水がさらに加速します。また、気圧の低い機内では地上よりもアルコールが回りやすいとも言われています
- コーヒー・紅茶・緑茶:カフェインの利尿作用で水分が排出されやすくなる。飲む場合は同量の水を追加で摂るのが理想
- 炭酸飲料:気圧の変化でお腹が張りやすくなる場合がある

肌の乾燥対策
機内の乾燥は肌にも大きなダメージを与えます。特に長時間フライトでは、以下の対策を取り入れると到着後の肌コンディションが大きく変わります。
- 搭乗前にしっかり保湿する:化粧水・乳液・クリームでベースの保湿をしっかり行ってから搭乗する
- ミストタイプの化粧水を持ち込む:100mL以下の容器であれば機内に持ち込み可能。乾燥を感じたら顔にシュッとスプレーする
- リップクリーム:唇は特に乾燥しやすいため、こまめに塗り直す
- ハンドクリーム:手指の乾燥も意外と進むため、手洗い後に塗る
- 長時間フライトではメイクを落とす:メイクの上から保湿しても効果が限定的なため、可能であればメイクを落としてスキンケアに切り替える
なかでも使い勝手がよいのがミストタイプの化粧水です。100mL以下の携帯サイズを選んでおけば国際線の液体持ち込み制限にも収まり、乾燥が気になったタイミングで座席のまま使えます。
喉・鼻の乾燥対策
喉や鼻の粘膜が乾燥すると、ウイルスや細菌に対する防御力が低下し、風邪をひきやすくなるとされています。以下の対策で喉と鼻の潤いを保ちましょう。
- マスクの着用:呼気に含まれる水分がマスク内にこもり、喉や鼻の乾燥を和らげる。濡れマスクを使うとさらに効果的
- のど飴:唾液の分泌を促し、喉の潤いを保つ
- 鼻腔用の保湿スプレー:鼻の中が乾燥して不快な場合に有効
マスクは普通のものでも構いませんが、フィルターに水分を含ませる「濡れマスク」タイプは機内で眠るときに選ばれることが多いアイテムです。
機内に持ち込む液体は、国際線の場合100mL以下の容器に入れ、透明のジッパー付き袋(容量1L以内)にまとめる必要があります。水分補給用のペットボトルは保安検査後に購入するか、空のボトルを持ち込んで搭乗後に水をもらう方法がおすすめです。
エコノミークラス症候群の予防にも水分補給が重要
長時間同じ姿勢で座り続けると、脚の血流が滞り血栓ができやすくなる「エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)」のリスクが高まります。水分不足は血液の粘度を上げるため、こまめな水分補給はエコノミークラス症候群の予防にも重要です。
水分補給に加えて、以下の対策も合わせて行いましょう。
- 1〜2時間ごとに席を立って歩く
- 座ったままでも足首を回したり、つま先を上下に動かしたりする
- 弾性ストッキング(フライトソックス)の着用
フライトソックスは長距離便の常備品として持っている方も多いアイテムです。着圧の強さに種類があるので、長時間履くことを考えて無理のない強さのものを選ぶとよいでしょう。
機内の水分補給に関するQ&A
Q. CAに水をお願いしてもいい?
もちろん問題ありません。多くの航空会社では、ドリンクサービスの時間以外でも水やお茶を頼めば提供してもらえます。遠慮せずに声をかけましょう。
Q. 国内線の短距離フライトでも乾燥対策は必要?
1〜2時間程度の短距離フライトでも機内の湿度は低下しています。搭乗前に水を飲んでおき、降りた後にも水分を摂れば基本的には問題ありませんが、乾燥肌の方はミストやリップクリームを用意しておくと安心です。
Q. 子どもの機内での水分補給は?
子どもは大人以上に脱水しやすいため、こまめに水分を摂らせましょう。ストロー付きの水筒やペットボトルがあると飲みやすく、こぼす心配も減ります。
飛行機内の乾燥は避けられないものですが、こまめな水分補給と保湿対策で体への影響を大きく軽減できます。次のフライトでは、ペットボトルの水とマスク、保湿グッズを忘れずに持ち込んで、快適な空の旅を楽しんでください。
外部参考:同友会グループ 飛行機内の湿度、JAL公式サイト


