ホテルや旅館の客室・ロビーにウォーターサーバーを設置する宿泊施設が増えています。ペットボトルの提供に代わる新しいおもてなしの形として注目を集めているだけでなく、環境配慮やコスト削減の観点からも導入メリットが大きいためです。
実際に、ノーガホテル清水京都では全207客室にウォーターサーバーを設置し、年間約95,000本分のペットボトル削減を目指す「ボトルフリープロジェクト」に取り組んでいます。ニューオータニイン横浜プレミアムでも全客室フロアにウォーターサーバーを導入するなど、大手ホテルチェーンを中心に導入が広がっている状況です。
この記事では、ホテル・旅館にウォーターサーバーを導入するメリットから、業務用サーバーの選び方、設置時の注意点まで詳しくお伝えしていきます。

ホテル・旅館がウォーターサーバーを導入するメリット
ペットボトル廃棄の大幅削減
客室にペットボトルの水を用意している施設は多いですが、チェックアウト後に大量の空ペットボトルが発生します。ウォーターサーバーに切り替えることで、年間で数万本のプラスチックごみを削減できる可能性があります。SDGsへの取り組みをアピールできるため、環境意識の高い宿泊客からの評価も高まります。
スタッフの業務効率化
ペットボトルの発注・在庫管理・客室への補充・廃棄回収といった一連の作業は、スタッフにとって地味に負担の大きい業務です。水道直結型のウォーターサーバーなら補充作業が不要になるため、スタッフはより付加価値の高いサービスに集中できるようになります。
宿泊客の満足度向上
いつでも冷水・温水が飲めるウォーターサーバーは、宿泊客にとって便利な設備です。外出前にマイボトルに水を入れていく方も多く、「ペットボトルを買いに行く手間が省ける」という声も聞かれます。おもてなしの質を底上げする存在として、口コミ評価にもプラスに働きやすいです。
コスト削減効果
ペットボトルの仕入れコストは1本あたり50〜100円程度ですが、客室数が多いホテルでは年間で相当な金額になります。水道直結型サーバーなら定額制で使い放題のため、客室数や稼働率が高いほどコストメリットが大きくなります。
あわせて必要になるのがコップの用意です。共用スペースでは紙コップを常備しておくと、グラスの洗浄・回収の手間をかけずに提供できます。
環境配慮、業務効率化、顧客満足度、コスト削減の4つが、宿泊施設でのウォーターサーバー導入を後押しする主なメリットです。
宿泊施設に適したウォーターサーバーのタイプ
水道直結型がおすすめの理由
ホテルや旅館では水道直結型が特に適しています。ボトルの交換や保管スペースが不要で、大量消費にも定額で対応できるためです。客室フロアごとに設置する場合も、水道管から分岐するだけなので施工が比較的シンプルです。
ウォータースタンド:水道直結型のサーバーを手がけているメーカーで、ホテル・旅館向けの法人プランも用意されています。使った量で料金が増えるのではなく定額で使い放題なので、宿泊客の利用量が読みにくい共用スペースでも費用を見積もりやすいうえ、ボトルの受け取り・保管・交換が発生しないぶんスタッフの手も空きます。家庭向けプランは月額3,300円〜という設定ですが、施設向けは台数や設置場所によって条件が変わるため、水道につなぐ工事の可否とあわせて見積もりを取るのが確実です。
👇 水道直結型の月額や設置の条件を詳しくレビューしています

ボトル宅配型は小規模施設向き
客室数が少ないペンションや民宿であれば、ボトル宅配型も選択肢に入ります。ただし消費量が多い施設では在庫管理やボトル交換の手間が大きくなるため、規模に応じて判断しましょう。
アクアクララ:小規模な宿でボトル宅配型を検討するなら、候補のひとつになります。全国(離島・一部地域を除く)に対応していて、配達・設置と2年に1度の専門スタッフによるサーバー洗浄、故障時の対応が月1,100円〜の「あんしんサポート料」に含まれる仕組みです。注文ノルマがないため、繁忙期と閑散期で宿泊客数が大きく変わる施設でも、必要な月に必要な本数だけ頼めます。サーバーは7機種あり、ロビーに置くならデザイン性の高いアクアファブ、コーヒーもまとめて提供したいならコーヒーマシン一体型のアクアウィズ(別途ネスレ定期お届け便の利用料がかかります)といった選び方ができます。なお法人での利用条件は個人契約と異なる場合があるため、申し込み前に確認しておきましょう。
👇 7機種の違いと、あんしんサポート料の差を詳しくまとめています





ホテル・旅館向けサーバー選びのチェックポイント
デザイン性
宿泊施設はインテリアの統一感が大切です。ロビーや客室の雰囲気に馴染むスタイリッシュなデザインのサーバーを選ぶと、施設のイメージを損ないません。ホワイトやシルバーなどシンプルなカラーのモデルが人気です。
衛生管理機能
不特定多数の宿泊客が利用するため、自動殺菌機能やUV除菌機能を搭載したモデルが安心です。ノズル周りの衛生対策がしっかりしているかどうかも重要なポイントになります。
機能に加えて、日々の拭き取り用に除菌スプレーを備品として置いておくと、清掃時の運用ルールが作りやすくなります。
静音性
客室に設置する場合、サーバーの動作音が気になるケースがあります。コンプレッサー式はやや音が大きい傾向があるため、電子冷却方式など静音性に配慮したモデルを検討しましょう。
メンテナンス体制
定期的なフィルター交換やサーバー洗浄が必要です。メーカーの定期メンテナンスサービスが利用できるか、営業時間外の故障対応が可能かなど、サポート体制を事前に確認しておくと運用がスムーズです。
多言語対応
インバウンド需要が回復している現在、外国人宿泊客への配慮も大切です。操作方法がわかりやすいシンプルな設計のサーバーを選ぶか、多言語の操作説明カードを用意しておくとトラブルを防げます。
設置場所ごとの活用方法
| 設置場所 | 活用方法 | おすすめ機能 |
|---|---|---|
| 客室フロア | 宿泊客の水分補給・マイボトル補充 | 静音・自動殺菌 |
| ロビー・フロント | チェックイン時のおもてなし | デザイン性・温水対応 |
| 大浴場脱衣所 | 入浴後の水分補給 | 冷水特化・紙コップ対応 |
| レストラン | 食事中の飲用水提供 | 大容量タンク |
| スタッフルーム | 従業員の福利厚生 | コンパクト型 |
大浴場の脱衣所に冷水サーバーを設置すると、入浴後の水分補給がすぐにできるため宿泊客から喜ばれます。入浴後の水分補給のタイミングや量について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
大浴場の脱衣所は湿度が高いため、サーバーの設置可能環境をメーカーに事前確認してください。湿度による故障リスクがある場合は、脱衣所の外に設置するほうが安全です。
導入時の注意点
水質と安全基準
宿泊施設で提供する水は食品衛生法の基準を満たす必要があります。ウォーターサーバーメーカーは水質検査を定期的に実施していますが、施設側でも水質管理の記録を残しておくと安心です。
設置工事と原状回復
水道直結型の場合、水道管への分岐工事が必要です。賃貸物件の場合は物件オーナーへの確認と、退去時の原状回復条件について事前に取り決めておきましょう。
感染症対策
共用のウォーターサーバーでは、注ぎ口への直接接触を避けるため非接触型のセンサー式モデルを選ぶのも一つの方法です。紙コップディスペンサーを併設することで衛生面への配慮をアピールできます。


導入事例から見る効果
実際にウォーターサーバーを導入した宿泊施設では、以下のような効果が報告されています。
- ペットボトルの仕入れコストが年間で数十万円単位で削減された
- 客室清掃時のペットボトル回収作業が不要になり、清掃時間が短縮された
- 「環境に配慮した宿」としてSNSでの好意的な口コミが増えた
- 宿泊客アンケートで「便利だった設備」として高評価を得た
特に環境意識の高い海外からの宿泊客にとって、ペットボトルフリーの取り組みは宿泊先を選ぶ際のプラス要素になっています。
よくある質問
Q. 1台で何人くらいの宿泊客に対応できる?
一般的な業務用サーバーは1時間あたり冷水約3〜5L、温水約2〜3Lの供給能力があります。客室フロアに設置する場合、1台あたり10〜15室程度を目安にすると快適に利用してもらえます。
Q. 導入コストはどれくらい?
水道直結型の場合、工事費を含めた初期費用が10,000〜30,000円程度、月額は1台あたり3,000〜6,000円程度が一般的です。複数台導入で割引が適用されるメーカーもあります。
Q. 季節による水の消費量の変動は?
夏場は冷水の消費量が増え、冬場はやや減る傾向にあります。温水でお茶やコーヒーを入れる方が増えるため、年間を通じた消費量の変動は意外と大きくありません。
まとめ
ホテル・旅館へのウォーターサーバー導入は、環境配慮・コスト削減・顧客満足度向上の三方良しを実現できる施策です。特に水道直結型は大規模施設との相性がよく、ボトル管理の手間もなくなるため運用面でもメリットが大きいといえます。
導入を検討する際は、設置場所ごとの用途やメンテナンス体制を確認し、施設の規模とゲスト層に合ったサーバーを選ぶことが大切です。ウォーターサーバーの基本的な選び方については以下の記事も参考にしてみてください。



参考リンク:ウォータースタンド|ホテル・旅館向け ダイオーズ|ホテル×環境保護×ウォーターサーバー 厚生労働省|食品衛生に関する情報



