熱中症や脱水症状の対策として注目されている「経口補水液」。ドラッグストアで市販品を買うこともできますが、実は自宅にある材料で簡単に作ることもできます。
経口補水液は、水分と電解質を素早く体に吸収させるための飲み物で、スポーツドリンクとは成分バランスが異なります。この記事では、経口補水液の作り方や正しい使い方、市販品との違いまでくわしく解説します。

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経口補水液とは?スポーツドリンクとの違い
経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)は、脱水状態のときに水分と電解質(ナトリウムやカリウムなど)を効率よく補給するための飲み物です。WHO(世界保健機関)が推奨する配合バランスに基づいて作られています。
スポーツドリンクと比べると、以下のような違いがあります。
| 項目 | 経口補水液 | スポーツドリンク |
|---|---|---|
| ナトリウム濃度 | 高い(約50mEq/L) | 低い(約20mEq/L) |
| 糖分 | 少ない | 多い |
| 用途 | 脱水時の水分・電解質補給 | 運動時の水分補給 |
| 味 | しょっぱい | 甘い |
| 日常的な飲用 | 推奨されない | 問題ない |
経口補水液はナトリウムが多いため、脱水状態でないときに常飲すると塩分の摂り過ぎになる可能性があります。あくまで脱水時に飲むものとして覚えておきましょう。
自宅でできる経口補水液の作り方
自宅にある3つの材料で経口補水液を作ることができます。緊急時に市販品が手に入らない場合に役立つレシピです。
基本レシピ(1リットル分)
材料:
- 水:1リットル(できれば煮沸して冷ましたもの)
- 砂糖:40g(大さじ4と1/2程度)
- 塩:3g(小さじ1/2程度)
作り方:
- 水に砂糖と塩を加える
- よくかき混ぜて完全に溶かす
- お好みでレモン果汁(大さじ1〜2)を加えると飲みやすくなる
少量レシピ(500ml分)
- 水:500ml
- 砂糖:20g(大さじ2と1/4程度)
- 塩:1.5g(小さじ1/4程度)
コップ1杯分の簡易レシピ(200ml分)
- 水:200ml
- 砂糖:小さじ2程度
- 塩:ひとつまみ程度

手作り経口補水液の注意点
自宅で作る経口補水液には、市販品と比べていくつかの注意点があります。
1. 保存期間が短い
手作りの経口補水液は雑菌が繁殖しやすいため、作った当日中に飲み切りましょう。冷蔵庫に入れても、翌日までの保管が限度です。余った分は捨ててください。
2. 計量は正確に
砂糖と塩のバランスが崩れると、体内での吸収効率が落ちます。塩が多すぎると飲みにくく体に負担がかかりますし、砂糖が多すぎると下痢を引き起こす可能性があります。なるべく計量スプーンを使って正確に量りましょう。
3. 市販品のほうが成分が安定している
市販の経口補水液(OS-1など)は、ナトリウムやカリウム、ブドウ糖などの配合が厳密に計算されています。手作りはあくまで緊急時の代替手段と考え、可能であれば市販品を常備しておくのがおすすめです。
腎臓に持病がある方や、医師から塩分制限を指示されている方は、経口補水液の使用前に必ず医師に相談してください。ナトリウムが含まれているため、自己判断での大量摂取は避けましょう。
経口補水液の正しい使い方
経口補水液はどんなときに、どのように飲めばよいのでしょうか。正しい使い方を解説します。
経口補水液が必要な場面
- 熱中症の初期症状が出たとき:めまい、だるさ、大量の汗
- 下痢や嘔吐による脱水時:胃腸炎やノロウイルスなど
- 発熱時:高熱で大量に汗をかいたとき
- 二日酔い:アルコールの利尿作用で脱水しているとき
飲み方のポイント
一気に飲まず、少量ずつこまめに飲むことが重要です。
- 1回にコップ半分〜1杯(100〜200ml)程度を目安にする
- 10〜15分おきに少しずつ飲む
- 嘔吐がある場合は、スプーン1杯ずつから始める
- 冷やしすぎると胃腸に負担がかかるため、常温〜やや冷たい程度が望ましい
飲む量の目安
| 対象 | 軽度の脱水時の目安 |
|---|---|
| 大人 | 500〜1000ml/日 |
| 子ども(学童期) | 300〜600ml/日 |
| 乳幼児 | 体重1kgあたり30〜50ml/日 |

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市販の経口補水液を選ぶポイント
市販の経口補水液にはいくつかの種類があります。選ぶ際のポイントを紹介します。
液体タイプ
OS-1(オーエスワン)に代表される液体タイプは、そのまますぐに飲めるのが利点です。常温保存できるため、自宅に数本ストックしておくと安心です。
ゼリータイプ
吐き気があって液体が飲みにくい場合は、ゼリータイプが便利です。OS-1にもゼリータイプがあり、少しずつ口に運べるので嘔吐時にも使いやすい特徴があります。
パウダータイプ
粉末を水に溶かして作るタイプで、持ち運びやすく、非常用の備蓄にも向いています。水さえあればすぐに経口補水液を作れるので、防災バッグに入れておくのもおすすめです。
災害時の備蓄として、経口補水液のパウダータイプとウォーターサーバーの水を組み合わせておくと、脱水対策として安心です。
経口補水液とスポーツドリンクの使い分け
経口補水液とスポーツドリンクは似ているようで用途が異なります。場面に応じて正しく使い分けることが大切です。
経口補水液を選ぶべき場面
- 下痢や嘔吐で体液を大量に失ったとき
- 熱中症の初期症状(めまい、だるさ、大量の発汗)が出たとき
- 高熱が続いて発汗が多いとき
- 食欲がなく食事から水分が摂れないとき
スポーツドリンクで十分な場面
- 日常的な運動中の水分補給
- 軽い汗をかいた後の水分補給
- 暑い日の外出時の予防的な水分補給
スポーツドリンクは糖分が多く、日常的に飲み過ぎるとカロリーの摂りすぎにつながります。一方、経口補水液は脱水時に特化しているため、健康なときに飲むと塩辛く感じます。「おいしいと感じるなら脱水気味、しょっぱく感じるなら体に水分が足りている」という目安もあります。

手作り経口補水液のアレンジレシピ
基本の経口補水液はそのままだと味が単調で飲みにくいことがあります。以下のアレンジを加えると飲みやすくなります。
レモン風味
基本のレシピにレモン汁を大さじ1〜2杯加えます。ビタミンCも同時に摂取でき、さわやかな味わいになります。レモンの代わりにライムやグレープフルーツの果汁でも代用可能です。
はちみつ風味
砂糖の代わりにはちみつを使うこともできます。はちみつには微量のミネラルも含まれています。ただし、1歳未満の赤ちゃんにはちみつを含む飲み物を与えてはいけません(ボツリヌス症のリスクがあるため)。
りんごジュース風味
100%りんごジュースを少量加えると、子供でも飲みやすい味になります。ジュースを加えた分だけ水の量を減らして調整しましょう。
アレンジレシピは飲みやすさのための工夫であり、医療用の経口補水液とは成分が異なります。重度の脱水が疑われる場合は市販の経口補水液を使い、医療機関を受診してください。
経口補水液と水分補給に関するQ&A
Q. 経口補水液を毎日飲んでもいい?
健康な状態で毎日飲むことはおすすめしません。経口補水液は通常の水やお茶と比べてナトリウムが多いため、脱水していない状態で飲み続けると塩分の過剰摂取につながります。普段の水分補給には水やお茶を使いましょう。
Q. 赤ちゃんに経口補水液を飲ませても大丈夫?
乳幼児用の経口補水液は市販されていますが、自己判断で与えるのは避けましょう。赤ちゃんの脱水が心配な場合は、まず小児科を受診することをおすすめします。
Q. スポーツドリンクで代用できる?
スポーツドリンクはナトリウムの濃度が経口補水液より低く、糖分が多いため、脱水時の水分補給としては経口補水液のほうが適しています。運動中の水分補給にはスポーツドリンクで十分ですが、下痢や嘔吐による脱水には経口補水液を選びましょう。
Q. 経口補水液はどこで買える?
ドラッグストア、薬局、スーパー、コンビニなどで購入できます。OS-1は消費者庁から「個別評価型病者用食品」の許可を受けた製品で、薬局での取り扱いが中心ですが、近年ではスーパーやコンビニでも見かけるようになっています。
まとめ
経口補水液は脱水時の強い味方ですが、正しい作り方と使い方を知っておくことが大切です。自宅では「水1リットル+砂糖40g+塩3g」の基本レシピで簡単に作れます。ただし、手作りは当日中に飲み切り、可能であれば市販品も常備しておきましょう。特に夏場は熱中症のリスクが高まるため、冷蔵庫に市販の経口補水液を1〜2本ストックしておくと安心です。
ウォーターサーバーがあれば、清潔な水がすぐに手に入るため、手作り経口補水液の準備もスムーズです。いざというときに慌てないために、材料と作り方をメモしてキッチンに貼っておくのもおすすめです。家族全員が正しい対処法を知っておくことが、健康を守る第一歩になります。
飲むときは一気飲みせず、少量ずつこまめに補給するのがポイントです。正しい知識を持って、いざというときに備えてください。

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