「自分の家の水道水にどれくらい塩素が残っているんだろう?」と気になったことはありませんか。水道水の残留塩素は安全な水を届けるために欠かせないものですが、測定方法を知っておくと、水質への理解がぐっと深まります。
この記事では、家庭でも手軽にできる残留塩素の測定方法を、試験紙タイプからDPD法まで詳しく解説します。それぞれの特徴やメリット・デメリットも紹介するので、自分に合った方法を見つけてみてください。

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残留塩素とは?水道水に含まれる理由
残留塩素とは、水道水の消毒に使われた塩素のうち、蛇口から出る時点でまだ水中に残っている塩素のことです。水道法施行規則では、給水栓(蛇口)での残留塩素濃度を0.1mg/L以上に保つことが定められています。
これは、浄水場から家庭に届くまでの配水管の中で雑菌が繁殖しないよう、消毒効果を維持するためです。残留塩素がなくなると水の安全性が保てなくなるため、一定量は必ず含まれている仕組みになっています。
残留塩素は「遊離残留塩素」と「結合残留塩素」の2種類に分けられます。遊離残留塩素は殺菌力が強く、水道法で基準が定められているのはこちらの方です。
残留塩素の測定が役立つ場面
残留塩素の測定は、以下のような場面で役立ちます。
- 引っ越し先の水質確認:地域によって残留塩素の濃度は異なります
- 浄水器の効果確認:浄水器を通した水の残留塩素がきちんと除去されているか確認できます
- マンションの受水槽の管理:貯水タンクの水質チェックに使われます
- 水槽の水質管理:熱帯魚やメダカなど、塩素に敏感な生き物を飼育する場合に重要です
- プールや浴場の衛生管理:適切な塩素濃度が保たれているかの確認に使用されます

測定方法その1:試験紙(テストストリップ)を使う方法
もっとも手軽に残留塩素を測定できるのが試験紙です。水に浸すだけで色が変化し、付属のカラーチャートと比較して濃度を読み取れます。
試験紙の使い方
- 蛇口から水を流し、10秒ほど待ってから清潔なコップに採水する
- 試験紙を水に1〜2秒浸す
- 取り出してから10〜30秒待つ(製品により異なる)
- 変色した試験紙をカラーチャートと比較し、濃度を読み取る
試験紙は100枚入りで500〜1,500円程度と手頃です。Amazonや楽天、ホームセンターで購入できます。「残留塩素テスター」「残留塩素試験紙」などのキーワードで検索してみてください。
試験紙のメリット・デメリット
メリット:安価で手軽、特別な知識がなくても使える、持ち運びに便利
デメリット:目視での色比較なので精度はやや低い、保管状態が悪いと劣化する場合がある
測定方法その2:DPD法(DPD試薬を使う方法)
DPD法は、水道事業体やプール管理でも広く使われている信頼性の高い測定方法です。DPD(ジエチルパラフェニレンジアミン)という試薬を水に加えると、残留塩素の量に応じて水が淡赤紫色〜赤紫色に変化します。その色の濃さを比色板と比較して濃度を測定します。
DPD法の使い方
- 測定器付属の容器に検水を規定量入れる
- DPD試薬(粉体タイプが一般的)を1包投入する
- 軽く振って試薬を溶かす
- すぐに比色板と色を比較し、残留塩素濃度を読み取る
DPD試薬は分包タイプ(1回1袋)で販売されており、pH3〜10の検水であれば安定した測定が可能です。pH緩衝剤が含まれているため、水道水であればほぼ問題なく使えます。
DPD法のメリット・デメリット
メリット:試験紙より精度が高い、水道事業体でも使用されている実績がある、遊離残留塩素と結合残留塩素を分けて測定可能
デメリット:測定器と試薬が必要(セットで3,000〜8,000円程度)、試験紙に比べると手順がやや多い

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測定方法その3:デジタル残留塩素計を使う方法
より正確に数値で確認したい方には、デジタル残留塩素計がおすすめです。DPD試薬を加えた検水をセンサーで読み取り、液晶画面に数値が表示されるため、色の判断に迷うことがありません。
価格帯は5,000〜20,000円程度と幅がありますが、業務用ではなく家庭用途であれば、1万円前後のモデルで十分な精度が得られます。柴田科学などの専門メーカーから販売されています。
測定方法の比較表
| 測定方法 | 精度 | 価格帯 | 手軽さ | おすすめの人 |
|---|---|---|---|---|
| 試験紙 | やや低い | 500〜1,500円 | とても手軽 | とりあえず確認したい方 |
| DPD法(比色板) | 高い | 3,000〜8,000円 | 手軽 | 正確に知りたい方 |
| デジタル塩素計 | 非常に高い | 5,000〜20,000円 | やや手順あり | 定期的に測定したい方 |
測定のコツと注意点
正確な測定結果を得るためには、いくつかのコツがあります。
採水のポイント
測定前に蛇口の水を10秒ほど流してから採水しましょう。配管内に溜まっていた水は、蛇口から出てくる水とは塩素濃度が異なる場合があります。また、採水後はすぐに測定することが重要です。時間が経つと残留塩素が揮発して数値が下がってしまいます。
温度による影響
水温が高いと残留塩素の揮発が早まるため、夏場と冬場で測定結果が異なることがあります。同じ条件で比較したい場合は、採水してすぐに測定する習慣をつけましょう。
測定場所による違い
キッチン、洗面所、浴室など、蛇口の場所によっても残留塩素の濃度が若干異なることがあります。配管の長さや使用頻度によって差が出るためです。複数の蛇口で測定してみると、自宅の水質状況をより詳しく把握できます。
記録をつけるとさらに便利
定期的に測定し、日時・場所・数値を記録しておくと、季節変動や浄水器の劣化具合を把握しやすくなります。スマートフォンのメモアプリに記録しておくだけでも十分です。

残留塩素の濃度はどれくらいが普通?
日本の水道水の残留塩素濃度は、法律で0.1mg/L以上と定められていますが、上限に法的な規定はありません。ただし、厚生労働省の「おいしい水の要件」では、残留塩素0.4mg/L以下が目安とされています。
実際の測定値は地域や季節によって大きく異なります。一般的な傾向として、浄水場に近い地域は0.4〜0.8mg/L程度、浄水場から遠い地域は0.1〜0.3mg/L程度の値を示すことが多いです。
夏場は雑菌の繁殖を防ぐために塩素注入量が増えるため、残留塩素濃度が高くなりやすいです。冬場は水温が低く雑菌が繁殖しにくいため、比較的低い値になる傾向があります。
残留塩素を減らしたい場合の対処法
測定してみて「塩素が気になる」と感じた場合は、以下の方法で低減できます。
浄水器の活用がもっとも手軽で効果的です。活性炭フィルター搭載の浄水器は、残留塩素を90%以上除去できるものが多く、蛇口直結型であれば数千円から導入可能です。
煮沸も有効で、水道水を沸かすことで残留塩素は揮発して除去されます。また、ウォーターサーバーを利用すれば、そもそも塩素を含まない水を使えるため、塩素の味やにおいが気になる方には根本的な解決策になります。
よくある質問(Q&A)
Q. 残留塩素は人体に害がありますか?
A. 水道法で定められた濃度(0.1mg/L以上、上限の目安は1mg/L程度)であれば、健康への影響はないとされています。ただし、塩素のにおいや味が気になる方は多く、浄水器や煮沸で除去するのもひとつの方法です。
Q. 残留塩素が多い地域と少ない地域はありますか?
A. 浄水場から遠い地域ほど残留塩素は減少し、近い地域ほど高い傾向があります。また、夏場は雑菌が繁殖しやすいため塩素注入量が増え、残留塩素濃度も高くなりやすいです。
Q. 試験紙の保管で気をつけることは?
A. 直射日光や高温多湿を避けて保管してください。開封後は密閉容器に入れ、なるべく早く使い切ることが大切です。湿気を吸うと正確な測定ができなくなります。
Q. 浄水器を通した水でも残留塩素が検出されることはありますか?
A. フィルターが寿命を迎えている場合、除去性能が低下して残留塩素が検出されることがあります。フィルター交換のタイミングを確認する意味でも、定期的な測定が役立ちます。
Q. 残留塩素はペットにも影響がありますか?
A. 犬や猫などのペットは水道水をそのまま飲んでも通常は問題ありません。ただし、熱帯魚やメダカなどの水生生物は塩素に敏感なため、水槽の水を換える際は必ずカルキ抜きを行いましょう。残留塩素測定器を使えば、カルキ抜きが十分にできているかも確認できます。
Q. 残留塩素とカルキ臭は同じものですか?
A. カルキ臭の主な原因は残留塩素です。正確には、水中の有機物と塩素が反応してできるクロラミンなどの物質もにおいの原因になります。残留塩素を除去すれば、カルキ臭も大幅に軽減されます。

まとめ
水道水の残留塩素は、安全な水を届けるために欠かせないものですが、家庭で手軽に測定することができます。手軽さ重視なら試験紙、精度重視ならDPD法やデジタル塩素計がおすすめです。
測定結果をもとに、浄水器のフィルター交換時期を判断したり、水の使い方を見直したりするきっかけにしてみてください。水への関心を持つことが、より快適な水生活への第一歩になります。
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参考:メイプル・リンク「DPD試薬とは」、佐藤計量器製作所 DPD法資料
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